第1章 閉ざされた世界での目覚め

夏の終わりの蒸し暑い夜、19歳の大学生、佐藤悠斗は病院のベッドに横たわっていた。バイク事故による両腕の骨折で、両手は厚いギプスに固定され、自由を奪われていた。白い病室の壁が、彼の閉塞感をさらに増幅させる。だが、悠斗の心は別の熱でざわめいていた。整った顔立ち、鋭い目元、引き締まった体躯――彼は入院して間もない頃から、看護師たちの間で「イケメン患者」として話題になっていた。
悠斗自身、その視線には気づいていた。ナースステーションでのひそひそ話、廊下ですれ違う看護師たちの意味深な微笑み。事故で身体は不自由でも、彼の男としての魅力は損なわれていなかった。むしろ、動けない状況が、女性たちの好奇心を刺激しているようだった。悠斗の心は複雑だった。羞恥と、どこかでくすぶる期待が交錯する。動けない自分を嘲笑うような自虐的な思いと、女性たちの視線に煽られる微かな興奮が、彼の胸を締め付けた。
第2章 最初の火花
その夜、病室に現れたのは、20代半ばの看護師、彩花だった。ショートカットの髪に、透明感のある肌。彼女の笑顔は優しく、しかしどこか誘うような雰囲気を漂わせていた。悠斗は彼女の視線に、いつもより強い熱を感じていた。
「佐藤さん、夜の検温と…その、排尿のお手伝い、しますね」
彩花の声は事務的だったが、彼女の手が悠斗の病衣をそっとめくる瞬間、その指先がわずかに震えているのが分かった。悠斗の心臓は早鐘を打ち、喉がカラカラに乾いた。動けない身体、晒される下半身。羞恥心が彼を苛むが、同時に、彼女の柔らかな指が触れる瞬間を想像して、抑えきれない期待が湧き上がる。
彩花の手が、悠斗の陰部に触れた。冷たいゴム手袋越しとはいえ、その刺激はあまりにも強烈だった。事故以来、誰にも触れられていない部分。溜まりに溜まった欲望が、まるで堰を切ったように溢れ出した。悠斗は思わず声を漏らし、身体を硬直させた。
「あっ…!」
次の瞬間、彼の身体は制御を失い、熱い迸りが彩花の手を汚した。悠斗の顔は真っ赤に染まり、恥ずかしさで消えてしまいたいと思った。だが、彩花は驚いた表情を見せた後、くすりと笑った。
「ふふ、佐藤さん、溜まってたんですね。気にしないでくださいね」
彼女の声は優しかったが、その目にはどこか妖しい光が宿っていた。悠斗は言葉を失い、ただ彼女の背中を見送った。彩花が病室を出た後、悠斗の頭はぐるぐると回り続けた。恥ずかしさと、どこか解放されたような感覚。彼女の指の感触が、脳裏に焼き付いて離れなかった。
第3章 噂の連鎖
翌朝、悠斗はナースステーションの近くを通る看護師たちの会話を耳にした。
「ねえ、昨夜の佐藤さん、すごかったらしいよ。彩花ちゃん、びっくりしてたって」
「え、なになに? 暴発したって? うそ、めっちゃ気になる!」
彼女たちの笑い声が、悠斗の耳に突き刺さる。羞恥心が再び彼を襲ったが、同時に、別の感情が芽生えていた。自分が見ず知らずの女性たちの話題になっていること。動けない自分を、彼女たちが欲望の対象として見ていること。その事実に、悠斗の身体は再び熱を帯び始めた。
それからというもの、悠斗の病室はまるで秘密の楽園と化した。夜ごと、異なる看護師が「検温」や「介助」を口実に現れる。彼女たちの手は、事務的な動きから徐々に大胆になっていった。ある者は指先で悠斗をじらすように触れ、ある者は唇を近づけて囁くように彼を煽った。悠斗は動けない身体を呪いながらも、その快楽に溺れていく自分を止められなかった。
「佐藤さん、気持ちいい?」
そんな言葉を投げかけられながら、悠斗の理性は溶けていく。彼女たちの手、唇、吐息――すべてが彼を狂わせた。毎夜、異なる女性の手で果てるたび、悠斗の心は快楽と罪悪感の間で揺れ動いた。こんな状況は異常だ。だが、動けない自分には抗う術がない。それに、心のどこかで、彼はこの状況を求めていた。
第4章 大胆な一歩
ある深夜、いつもより遅い時間に病室のドアが開いた。現れたのは、看護師の美咲だった。彼女は他の看護師たちとは一線を画す大胆さを持っていた。長く艶やかな黒髪、グラマラスな身体つき。彼女が病室に入った瞬間、空気が一変した。
「佐藤さん、噂になってるよ。みんな、君のこと大好きみたい」
美咲の声は低く、誘うようだった。彼女は悠斗のベッドに腰かけ、病衣を一気に剥ぎ取った。悠斗の心臓は破裂しそうだった。彼女の手は、すでに慣れたように悠斗の身体を這う。だが、彼女はそこで止まらなかった。
「私、ちょっと我慢できないな」
美咲はそう囁くと、ゆっくりと自分の白衣を脱ぎ始めた。薄暗い病室の灯りに照らされた彼女の肌は、まるで磁器のように白く輝いた。悠斗の目は、彼女の豊満な胸、くびれた腰、滑らかな太ももに釘付けになった。彼女は躊躇なく悠斗の上にまたがり、熱い吐息を漏らしながら腰を下ろした。
「あ…っ!」
悠斗の身体を貫く快感は、これまで味わったどの瞬間とも違った。美咲の動きは力強く、貪欲だった。彼女の喘ぎ声が病室に響き、悠斗は自分が現実ではない世界にいるような錯覚に陥った。彼女の身体の熱、動き、すべてが彼を飲み込んでいく。やがて、悠斗は激しい波に飲み込まれるように果てた。
美咲は満足げに微笑むと、服を着直し、まるで何事もなかったかのように病室を出ていった。悠斗は放心状態で天井を見つめた。身体は満たされていたが、心は空虚だった。こんなことが許されるのか? だが、同時に、彼は再びあの快感を求めてしまう自分を感じていた。
第5章 噂の果て
美咲との一夜が、病院内に波紋を広げた。どうやら、誰かがその場面を目撃していたらしい。看護師たちの間では、悠斗の病室が「禁断の場所」としてさらに話題に上るようになった。だが、その噂は看護師たちだけに留まらなかった。
ある日、悠斗の病室に現れたのは、27歳の女性医師、加藤怜奈だった。怜奈は病院内でも評判の美人医師だった。知的な眼差し、整った顔立ち、落ち着いた物腰。彼女が病室に入った瞬間、悠斗は息を呑んだ。彼女の存在感は、看護師たちとは比べ物にならないほど圧倒的だった。
「佐藤悠斗さん、ね。噂になってるわよ」
怜奈の声は穏やかだったが、その瞳には好奇心と、どこか挑戦的な光が宿っていた。悠斗は言葉に詰まった。彼女が近づくたび、心臓の鼓動が速くなる。怜奈はベッドの端に腰かけ、悠斗の顔をじっと見つめた。
「動けないのは辛いでしょうけど、君、ずいぶん楽しんでるみたいね」
その言葉に、悠斗の顔が熱くなる。怜奈は微笑むと、ゆっくりと白衣のボタンを外し始めた。彼女の動きは、計算されたようにゆっくりで、悠斗の心を焦らすようだった。やがて、彼女は悠斗の身体に顔を近づけ、唇を這わせ始めた。
「ん…っ」
怜奈の口技は、悠斗がこれまで経験したどの瞬間とも違っていた。彼女の舌は巧みに動き、悠斗の全身を電流のような快感が駆け巡る。怜奈は悠斗の反応を楽しみながら、まるで彼の心を解きほぐすように愛撫を続けた。悠斗は、彼女の動きに身を委ね、理性も羞恥心もすべて溶けていくのを感じた。
やがて、悠斗はこれまでにない激しい絶頂を迎えた。怜奈は満足げに微笑み、悠斗の額に軽くキスをした。
「これからも、ちゃんと診てあげるから」
第6章 新たな始まり
その日から、怜奈は頻繁に悠斗の病室を訪れるようになった。彼女の訪問は、ただの肉体的な関係を超えた。怜奈は悠斗の話を聞き、彼の将来の夢や不安に耳を傾けた。悠斗もまた、怜奈の知性と優しさに惹かれていった。動けない身体、閉ざされた病室の中で、二人の心は急速に近づいていった。
やがて、悠斗の両腕のギプスが外れる日が来た。怜奈は笑顔で彼に告げた。
「これからどうする? 私と、ちゃんと向き合ってみない?」
悠斗は頷いた。怜奈との関係は、単なる病室での出来事では終わらなかった。二人は交際を始め、病院の外の世界で新たな一歩を踏み出した。その後、二人がどうなったかは誰も知らない。だが、あの夏の病室で起きた出来事は、悠斗の心に永遠に刻まれていた。
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